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Department of  Chemistry, Shibaura Institute of Technologyhttp://www.shibaura-it.ac.jp/
 
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生体分子化学研究室


 本研究室では、有機合成化学的な手法と生化学的な手法を組み合わせて、新しいバイオテクノロジーを目指しています。生体分子はそれだけでも機能を有しています。しかし、ちょっとした変換によって更なる機能の飛躍が目指せるのです。

| DNA | Enzyme | Protein |

上記の三つの生体分子、生体高分子を利用して、面白い機能の発現を目指しています。


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工学部共通学群(化学)生体分子化学研究室


  研究テーマ Research Projects >> | DNA | Enzyme | Protein |


DNA

★ 金属イオンで自発的に集合する人工 DNA の開発

★ 可逆的共有結合による環境応答性 DNA の開発

★ 新規非天然ヌクレオシドの合成

★ DNA リソグラフィーの開発


 DNA は、四つの核酸塩基部位を有したヌクレオシドユニットが、リン酸ジエステル結合という共有結合でつながった生体高分子です。塩基部位は A, G, C, T の4種類があり、遺伝情報を担っています。この遺伝情報は、A=T、G=C が水素結合を形成することによって対を成し、二重らせんという非常に美しく秩序立った構造を形成しています。

  DNA のすごい所は、一ヶ所でも間違った対があると、熱的安定性が低下し、二重らせんを形成しにくくなる点です。これによって、ポリメラーゼという酵素が DNA を複製したりして、細胞分裂しても次世代に同じ情報が受け渡されるのです.


1. 金属イオンで自発的に集合する人工 DNA の開発(博士後期課程在籍時)

  著者は東京大学大学院理学系研究科、塩谷光彦教授、田中健太郎名大教授のご指導のもと、金属イオンを介して人工ヌクレオシドユニットが自動的に組み上がるシステムを構築しようと研究を行いました。本システムは鋳型となる一本鎖 DNA を設計図として、4種類のモノマー人工ヌクレオシドが金属イオンというノリによって一次元的につながり、高分子を形成、鋳型一本鎖 DNA と二重らせんを構築するというものです。本研究は DNA コンピューティング、分子制御などに応用できると考えられます。

 実際のところ、非常に惜しいところまでしか行きませんでした。金属錯形成力が水素結合より格段に強いことがねっくかな・・・と思っております。でも非常に面白いテーマで、これ以上の面白そうなテーマは見つけられないのでは?と独り立ちしてからも良く思いました。




金属イオンで自発的に集合する人工 DNA。塩基部位と二つの金属錯形成部位を有するモノマーが、分子間金属錯形成を解してポリマーとなり、一本鎖 DNA を認識するというコンセプト。


  私は会社を退職して博士課程に入り直したので,いろいろと大変でした。今思えば、良く辞めたな・・・とびっくりです。塩谷先生、田中先生にはお世話になりました。修士時代の岡畑先生には、会社辞めるなと散々言われたのに・・・辞めちゃいました。幸い、学振が当たりましたので、経済的には恵まれていました。

 

参考

1. Nucleic Acids Symp.Ser. 1998, 39, 171.

2. Chemistry Letters, 2000, 822.

3. Tetrahedron, 2002, 58, 2965.




2. 可逆的共有結合による環境応答性 DNA の開発

 DNA の塩基対は水素結合から形成されています。水素結合であるからこそ、適度に強く、適切に解離することが可能になります。遺伝情報発現としては申し分ない原理であると感嘆させられます。それでは、人為的に塩基対形成をスイッチングできるようなシステムを構築すれば、遺伝子治療などに役立てることが可能なのではないだろうか?と考えました。有用な塩基配列部分は本来の DNA と同様に働くが、いらない、もしくは病気の原因となる遺伝子配列部分はマスクしてしまうというコンセプトです。

 本研究では、可逆的な共有結合であるジスルフィド結合で塩基対を形成する DNA の開発を目指しました。すなわち、酸化剤を外部から供給するとジスルフィド結合は二つのチオール基に解離し、二つのチオール基を還元処理することで再度ジスルフィド結合を形成することができるのです。ジスルフィド結合は髪の毛のパーマの原理でお分かりの通り、共有結合です。かなり強力な結合です。しかし、可逆的であるということころが面白い所です。

 まず、チオール基を有する非天然ヌクレオシドを合成しました。この合成に一年以上かかりました(収率が低く、立体選択性があるため、大変でした)。この非天然ヌクレオシドを DNA 配列内に導入して二重らせんの挙動を調べました。すると、還元剤が無い条件では非常に熱に強い二重らせんを形成することがわかりました。それに対し、還元剤を加えると、非常に熱に弱い二重らせんを形成していることがわかりました。このデータを得たときは、本当にうれしかったのを今でも覚えています。徹夜に近い状態で UV 分光器とにらめっこしていました。だって、そのときは一分ごとにデータを手で記録していましたから。


可逆的な共有結合を形成する人工 DNA。酸化剤、還元剤で可逆的に結合のスイッチングを行おうと考えた。


 また、このジスルフィド結合塩基対を導入した DNA は、遺伝子治療時の DNA 細胞導入を阻害しているヌクレアーゼに対して抵抗性を示すことがわかりました。すなわち、遺伝子治療を行いたいが、DNA を導入するときにこれまではヌクレアーゼという酵素で外からきた DNA は分解されてしまっていたのです。しかし、本 DNA は、ヌクレアーゼによる分解が非常に遅くなるという結果を得ました。

 本研究は、分子研の牧田さん(HI-MS, Mardi-TOF-MS)、清水の海洋バイオ研究所(UV の昇温システム)の方に大変お世話になりました。ありがとうございました。現在は、名古屋大学の浅沼先生のご指導のもと、ジスルフィド塩基対がどのような構造をしているのかを NMR を用いて解析しています。

 

参考

1. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2004, 10, 2459-2462.

  1. 2.Tetrahedron, 2005, 61, 1723-1730.


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