芝浦工業大学 工学部 応用化学科 分離システム工学 研究室
研究内容

研究開発コンセプト
当研究室では、無機素材を利用して分離膜を開発し、右図のように、高温でのガス分離や有機物分離、二酸化炭素、酸素分離から水処理まで、幅広いアプリケーションへの適用を狙っています。

取り扱う素材は、金属、シリカ、ゼオライトなど多岐にわたり、それらの組み合わせや表面処理などにより、新規な膜性能を発現させることを目標としています。

そのため、分子レベルの拡散や反応を制御する技術開発を、日々、行っております。

概略は以下を参照ください。

詳細は、野村までコンタクトいただければと思います。

高温水素選択透過シリカ膜の開発
シリカは水素を選択的に拡散する性質があります。ここでは、シリカを均質に蒸着する方法として、対向拡散CVD法(右図)を用いています。

対向拡散CVD法は、2種の反応種を基材の両側より供給する方法です。蒸着したシリカにより原料の拡散が制御されるので、均質な処理が可能です。

この方法で、600℃にて水素透過係数が10-7 mol m-2 s-1 Pa-1、水素/窒素透過係数比が1000以上の高い透過性と選択性をあわせもつ膜の開発に成功しました。

詳細は以下の論文を参照ください。

M. Nomura et al., J. Membr. Sci., 251(1-2), 151-158 (2005)

高温炭化水素分離用シリカ膜の開発
上記の様に、対向拡散CVD法にて均質なシリカ膜が製膜できます。

しかし、水素の分子サイズは小さいため、炭化水素などを分離するには、ほんの少しだけ細孔径を大きくしなければなりません。

ここでは、シリカ源にアルキル基を導入し、シリカ蒸着後にそのアルキル基部分が分解する性質を利用して細孔径の制御を行っています。

その結果、300℃程度でプロパン/プロピレンを分離できる膜の開発に成功しました。

今後は、制御技術を検討し、酸素分離や芳香族分離などへの応用を検討しています。

詳細は以下の論文を参照ください。

M. Nomura et al., J. Chem. Eng. Jpn., 40(13), 1235-1241 (2007)

ゼオライト膜を用いた高効率水処理膜の開発
膜分離法は、省エネルギーな分離方法であり分離方法であり、水処理などで応用されています。

しかし、小さな微量有機溶媒と大きな菌体を同時に除去するためには、非常に小さな細孔をもつ膜を用いる必要があり、効率が悪くなります。そのため、現状では、菌体を取り除く膜と有機溶媒を取り除く膜の2種が必要となります。

ここでは、右図のように吸着と膜分離を組み合わせた膜を開発することで、効率的に菌体と有機溶媒を取り除く膜を開発しています。

詳細は以下の論文を参照ください。

野村幹弘,内田広海,化学工学論文集,35(1),122-126 (2009)